「本音を話すと涙が出てしまう」
「人前で電話をしたり、メールを送るのが苦手」
「毎日疲れが溜まっていてたくさん寝ないと疲れが取れない」
このようなことでお悩みではありませんか?
もし上記のような悩みがある場合、あなたはHSPかもしれません。
私も夫も、長年上記のようなことで悩んできました。
周りに機嫌が悪い人がいる時は「自分のせいで怒っているのかな」と考えたり、取引先にメールを送るのに考えすぎてとても時間がかかってしまうことも。
この記事では、私が長年悩んできたことと、なぜ自分がHSPであることがわかったのか、その経緯をお話しようと思います。
HSPとは?
HSPとは「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の略称で、生まれつき感受性が強くて敏感な気質を持った人のことです。
ハイリー・センシティブ・パーソン(Highly Sensitive Person、HSP)とは、環境感受性(Environmental Sensitivity)あるいはその気質・性格的指標である感覚処理感受性(Sensory Processing Sensitivity)が極めて高い人たちを表す言葉である。
ハイリー・センシティブ・パーソン – Wikipedia
他にも「繊細さん」と呼ばれることも多く、聞いたことがある方も多いかもしれませんね。
HSPは、環境や性格と言った後天的なものではなく、生まれ持った「気質」です。
統計的に見ると、人口の約15~20%、つまり5人に1人がHSPだと言うこともわかっています。
これは逆に言えば、約8割の人がHSPではないため、非HSPの感覚や経験に比べて理解されにくく、非HSPの方たちと同じように過ごそうとした結果、生きづらいと感じてしまうのです。
そして私もその一人でした。
幼少期から涙もろく、もらい泣きすることもよくあった
幼少期は天真爛漫で、何事にも好奇心が旺盛でした。
その結果、いたずらしたり、わがままを言って両親によく怒られては泣いていました。
もともと泣き虫の自覚はあったのですが、今考えると感覚過敏だった記憶があります。
母に洋服を着せてもらっては、洋服が肌に当たる感じが好きではなく泣いてしまったり、少しでもチクチク、モゴモゴしている感覚があると、直して欲しいと母にお願いしていました。
靴下を履くのも、ゴムで縛られる感覚が好きではありませんでしたし、靴の中に砂が入ることにも敏感に反応していました。
また、同級生が泣いていると何故か私も悲しい気持ちになって一緒に泣いてしまうことも多く、先生からはいわゆる「優しい子」として認定されていました。
「恥ずかしい」を認識した小学生時代
「恥ずかしい」と思った記憶があるのは小学生からです。
人前に立つことはもちろん、注目されるのが苦手なので、授業中に自ら手をあげて発表することはまずありません。
答えはわかっていても、当時の最悪の事態を考えるので、「間違っていたらどうしよう」と言う思いから手を挙げることができませんでした。
何故なら、たまに手を挙げると絶対に当てられるからです。
先生と話す時も、とても緊張してしまいうまく言語化できないこともしばしば。
しかし、休み時間になると外で遊んだり、友達と遊んだりもしていました。
周りの変化にもよく気づき、観察力もあるので、他の学年の子の名前と顔を覚えるのも得意な方でした。
この頃からは特に両親に怒られる記憶が残っています。
その度に自分の気持ちを吐き出す際、どうしても涙が出てきてしまい、父親からは「女だから泣けば許されると思っている」と言われ、「そんなこと思ってない」とまた涙が出てきてしまっていました。
人の表情がわかる学生時代
少し大きくなると、人の細かい表情がわかるようになります。
今きっとこんなふうに思ってるんだろうなとか、私のことを話していたんだろうななど、ちょっとした話し方や表情の違いがわかってしまい、辛い思いをしたこともあります。
また、相手が嘘をついているのも如実にわかるようなこともあり、人付き合いが楽しくないと感じることも増えていました。
一人でいる方が楽。けど一人でいるのは恥ずかしいと言うように、思春期ならではの悩みも抱えていました。
社会に出て感じる生きづらさ
就職後も様々なことで悩みました。
人前に出るのは苦手なので何かプレゼンを行おうものなら、極度に緊張してしまったり、人の視線が気になります。
上司の機嫌が悪ければ私のせいではないかと、思い当たる節を探し出します。
電話応対や、トラブルが起きた際も対処が苦手です。対応を間違えたらどうしようと言う不安が真っ先に出てきてしまいます。
会議の際に聞きたいことがあっても質問タイムで質問することができず、後から一人で聞きに行くこともありました。
些細なことでも常に最悪な状況を考えてしまい、周りには考えすぎだと言われます。
自分の気持ちを伝えるのが苦手で、どうしても涙が出てきてしまいます。
深く考えすぎるので、ほっとした時も涙が出てしまいます。
辛いニュースも自分毎と捉えてしまうので、気持ちが沈んでしまいます。
上記のようなことをたくさん繰り返してきました。
結婚、出産後は更に涙もろくなった気がします。
夫がHSPと発覚
ある日、夫が私に言いました。
「俺、HSPかもしれない。」
私は当時、HSPと言う言葉を知らなかったので、言っている意味がさっぱりわかりませんでした。
話を聞けば、夫そのものです。
私も当てはまるところがありましたが、「私は好奇心旺盛だし、HSPとは違うのかな」位にしか思っていませんでした。
夫は内向型のHSPかもしれないと思い、いろんなところでHSP診断を行っています。
私も夫のことやHSPのことを理解し、夫と一緒に対処法などを行ってみようと思い、HSPについて調べるようになりました。
そこで、HSS型HSPなる物があると知り、ここで私もHSPだと言うことがわかりました。
今まで生きづらいと感じていた理由、自分でどうにもならない感情などの原因がわかり、納得でき、ほっとした自分がいたのを覚えています。
夫が転職を決意
程なくして、夫が転職を考え始めます。
中間管理職を任されていましたが、受け取りたくなくても入ってきてしまう様々な情報が、彼を苦しめます。
毎日のようにどっと疲れて帰宅し、食事とお風呂を済ませてすぐに寝る生活がしばらく続きます。
役職上、常にスマートフォンを身につけていなければならず、着信音の幻聴を聴くこともよくありました。
休みの日にも電話がかかってきては急な出勤。
このような日々が続き、遂には趣味のゲームもしなくなり、彼から笑顔が消えてしまいます。
明らかに以前の彼とは違うので、心療内科に連れて行ったところ、「適応障害」と診断されました。
これ以上この仕事を続けると鬱病まで発症してしまうと感じた私は、夫に休職・転職を進めます。
しかし責任感が強い彼は拒否しますが、家庭を壊しかねないと考えその後転職しました。
どの仕事ももちろん大変ですが、今の仕事の方が生き生きしています。
以前のような笑顔も戻ってきましたし、やはり自分にあった職種、職場環境と言うのはとても重要だと改めて感じました。
逃げるのは悪いことじゃない
今も自分がHSPだと気づいていない人、気づいていてもなかなか行動に移せない人。
たくさんの方が苦しい、逃げたいと思いながら頑張って仕事を続けていると思います。
私は逃げるのは悪いことではないと思います。
「まずは3年頑張りなさい。」「1年頑張りなさい。」と言う方がいますが、自分に合う合わないは自分が一番わかりますよね。
合わないと思っているのに続ける明確な理由があれば別ですが、そうでない場合。
正直時間がもったいないなと思います。
この先辞めるのであれば、早くに行動し、自分にぴったりの環境にした方が絶対にいいですよね。
しかし最悪の事態を考え、行動が慎重になるのもHSPの特徴です。
一日でも早く皆さんの気持ちが楽になるように、夫が試した転職方法なども今後ご紹介していきたいと思います。
少しでも皆さんの心が軽くなりますように。
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